2017年6月1日木曜日

マサダ国立公園/Masada National Park

マサダ国立公園/Masada National Park
http://www.parks.org.il/sites/English/ParksAndReserves/masada/Pages/default.aspx
http://www.parks.org.il/sigalit/DAFDAFOT/masadaEN.pdf

エルサレム・セントラル・バス・ステーションから444番のEilat Central Station行きに乗り、16駅目のMasadaで降ります
乗車時間は100分程度、乗車賃は37.5シェケルです。

エルサレム・セントラル・バス・ステーションの3階に、切符売り場と乗車口があります。切符売り場でマサダまでの切符を買おうとしたところ、「運転手から買え」とのこと。
しかし、運転手に「マサダへ」と行き先を告げたところ、エイラット行きの客が優先でスペースがあれば乗ることができるとのことでした。後回しにされ並ばされましたが、結局5席スペースができたので、わたしは乗ることができましたが、乗れなかった観光客もいました。
マサダへは、エリコの脇(南)をとおって死海の西岸を南へ進みます。

バスがエリコまで降りるとペットボトルが凹んでいました。海抜800mからマイナス400mまで降りたからです。隣人愛を説くイエスの有名な例え話の中では、親切なサマリア人は、エルサレムからエリコへ「下っている」途中に、強盗に襲われ倒れているユダヤ人を介抱しました。
ユダの荒野です。多くの人にとって中東のイメージはこのような沙漠なのでしょうが、イスラエルにおいてこのような沙漠はエリコ以南のユダの荒野に限られます。
ガリラヤでも日陰でなければかなり厳しいのに、こんなところでは死んでしまいます。
ユダの荒野は人の住むところではありません。
しかし住んでいる人もいます。
あの丘がマサダ要塞です。
エイラット最優先のバスも、ちゃんとマサダに立ち寄ってくれました(当たり前ですが)。
それにしても、ものすごく乾燥し熱せられた空気です。
エントランスとロープウェイ乗り場のある建物からバス停の方向を写しました。
奥に見えるのは死海です。
マサダ要塞へは歩いて行くこともできます。
当時の人々の決意と、攻略する側のローマ軍兵士の苦労を追体験するには、歩いて登った方が良いのでしょうが、そんなことをする人は極々一部です。
太陽を遮るものがない中、照り焼きにされながら登るのはゴメンです。
わたしを含めほとんどの人が46シェケル払って往復のロープウェイを利用します。
動画はこちらです。
https://youtu.be/rtPkgnrjiOE
下界の眺めです。
不思議な地形です。

死海です。死海もガリラヤ湖同様に縮小しつつあります。農業に水が使われるようになったからです。
わたしは死海には入りませんでした。浮かんでみたところで特に意味はないからです。
見たこともないような景色が広がっています。
この広漠とした風景はユダヤ戦争の頃から何ら変わっていないのでしょう。
比較的クリアに写真が撮れていますが、空気が乾燥しているからです。
日本でこの気温だと、すごく蒸し暑いはずです。
暑いのに木陰に入ると涼しくなるのは不思議な感覚です。
マサダ要塞から見える周囲の様子はざっと上のような具合です。


いよいよ要塞の遺跡の見学スタートです。
万一、下の施設で水を買い忘れていてもここで補給できます。
見学には水は必須です。ここに限りませんが、マサダでは水がないと命に関わります。太陽の照りつけ具合は昔と変わらないと思うのですが、当時の人々は一体どうしていたのでしょう。

まずは砦全体を上から見てみましょう。



まるで映画を見ているようですが、本物の遺跡です。
2000年ほど前には人は住んでいましたし、戦闘もあったわけです。 


物見の塔です。
上の塔に登り、南側撮影しました。
要塞は非常に広いです。
日照りがキツイこともあり、すべてを見て回っている観光客は必ずしも多くはないようです。
次は、砦の側面がどのようになっているのかを見てみましょう。
現在の入り口方面、東側の様子です。
北西側の様子です。
マサダ要塞の全体像はイメージできたでしょうか。

次は各施設についてです。
司令者の居宅です。

複合的な食料庫(貯蔵室)です。
何年分ものトウモロコシやぶどう酒、オリーブ油を蓄えることができたそうです。
貯蔵室はたくさんあり、多くの人が住むことができました。

モザイク模様の床です。
ヘロデ大王時代に作られたものと思われます。
公衆浴場です。
このような高いところに水を貯めることができたこと自体驚きですし、このような狭い浴槽に貯められた水をかわりばんこで使ったというのも驚きです。汗まみれよりはいいですが、不潔な感じもします。
ローマ式のお風呂です。
いずれも儀式用の沐浴するところではありません。
儀式のために身を清める風呂はこちらです。
居室、居宅のようです。

鳩の塔(ハト小屋)です。マサダには同じものが他に2つもあります。
ヘロデ大王はこんなところでハトを飼っていたのです。タンパク質摂取のために飼っていたのではないかと考えられています。
シナゴーグ(会堂)です。
ユダヤ人ですから、必須の施設です。

こんなところにも鳥は来ます。長い尻尾をもつ丸いネズミもいました。
昔の人も同じような鳥、小動物を見たのだろうと思います。
ユダヤ戦争最後の地であるマサダは、(ユダヤ人の)抵抗も(ローマ人による)攻略もどちらも命がけだったことはここに来るだけで分かりました。
感想は「熱すぎる」に尽きます。