2018年1月31日水曜日

帰り道/Return path

動物の足跡を見つけました。雪山ならではです。
種類までは分かりませんが、動物の気配を感じることができるだけで十分幸せなことです。
通常ならば、ここから大岳山に行って富士山を見て戻ってくるか別のルートへ移るのですが、わたしの場合は写真を撮ったり空間放射線量を測定しながら歩くので、順調に進んでも下山が夕方ギリギリになるため行きませんでした。
山ですから街灯はありません。ライトは持ってきていますが、夜道ではロストの可能性が高いです。こんな雪の中でのビバークはご免です。
ちなみに、空間放射線量に異常は見られませんでした。雪が覆っていたからというわけではありません。
「放射性物質による汚染は問題のないレベル」と言って差し支えないと思います。
この氷は、導管から流れた水が凍って出来たわけですが、面白いことに、水が氷の内側を流れています。
流水量が一定でなければこうはならないはずです。
これもまた、このようなところに来なければ見られないものです。

雪が減っていますが安全になるどころかむしろずっと危険になっています。溶けた雪が凍って非常にすべりやすくなっているのです。
滑落したとしてもおかしくない状態になっていました。

かなり急な下り坂ですね。
関東は、このようなアクセス容易な登山環境が整備されており恵まれていると思います。

綾広の滝/Ayahiro Fall

ロックガーデンの終点/始点には綾広の滝があります。
鳥居の先です。
綾広の滝も七代の滝と同様、特に何の変哲もないどこの山にでもあるような滝です。
普段ならちらっと見て通り過ごすところですが、冬の綾広の滝はいつもよりも芸術性が高まっており足を止めたくなります。
滝ならではのツララですね。



ロックガーデン/Rock garden

ロックガーデンの始点が厳密に決まっているわけではありませんが、天狗岩からすぐのところにあります。
ロックガーデンは、沢登り風というかトレッキングのような雰囲気をお手軽に味わえる稀有なところです。
ですから、ロックガーデンは春以降に楽しめば良いのですが、このような普段とは違うロックガーデンも、高い満足が得られます。
以下、しばらくの間普段とは異なるロックガーデンをご覧ください。


このような石の階段を整えた人は何を思うのでしょうか。自分が作ったことさえ忘れているのかも知れません。とすると、それはもはや人の営みの結果ではなく自然が創りだしたものと同視しうるかも知れません。

こんな氷の塊を見つけました。
はねた水が次々と固まっていったのでしょう。
自然は芸術家だというのは容易いですが、人が知恵を凝らして創りだしたアートを探しに行かなくても自然の中に行けばそれよりも優れたものを見つけることができます。

天狗岩/Long‐nosed Rock

七代の滝のすぐ脇にこのような階段があります。
階段はこれだけでなく更にあります。
今はルートが整備されているので何の苦労もなく楽しめますが、昔はどうだったのでしょうか。
ロックガーデンの手前に「天狗岩」と呼ばれる大きな岩があります。
非常に存在感がある大きな岩だから天狗なのかと思いましたが、少し先に進んで振り返るとその所以が分かります。
と、書くとまるで初めて見た人のようですが、わたしはこれを過去に何度も見ているはずです。
なのに、すっかり忘れていました。
そのことにわたし自身が驚きました。自分自身にネガティブに驚いたということです。最近は昔の記憶があやふやです。

七代の滝/Nanayo Fall

七代の滝自体はどこの山にもあるような滝です。
七代の滝は、ロックガーデンに至るルートにあるので、一応立ち寄るものの、少し眺めて直ぐに立ち去るようなものです。
つまりはそれほど面白いものではないのです。
こんなのですからね。
しかし、冬山だからこそ見られる景色というものがあります。

このような氷は、家でも狭い実験室でも作ることはできません。自然環境下でのみ作られる模様です。



当然のことですが、冬山は、雪崩、滑落、ルートロスト等遭難のリスクがあるので安易に踏み込むべきではありません。条件がよくない日は避けるべきですし、低難易度の山でも油断すべきではありません。
少なくとも冬以外に一度は歩いておくべきだと思います。

長尾平/Nagao-daira

長尾平は、ロックガーデンのルート上にあるのではなく、途中で分岐します。
今回最も危険だったのが御岳神社からのルートでした。
雪が踏み固められ氷になっており非常に滑りやすくなっていました。
一方で、踏み固められていない雪は安全です。
東京に大雪が降ったのが8日前ですが、ここにはそれ以外の雪も積もっているはずです。
今日は晴天かつ無風で、雪山登山日和です。
セオリーでは晴れた日は雪が緩んで雪崩の危険がありますが、ここはそれほどの雪は積もっていません。
このようなキラキラさらさらの雪を踏めるのです。
奥多摩は冬にこそ登るべきです。

長尾平からの展望です。
ここにずっといても良いのですが、今の時期は必ず日が昇っている間に帰らなければならなりません。予報では一日中無風晴天ですが、絶対に天気が変わらないとは限りません。

御岳神社/Mitake Shrine

七代の滝、ロックガーデン、綾広の滝までには少し歩きます。
御岳神社を経由しなくても行けますが、ついでに寄ってみられても悪くないと思います。
途中にあるのは宿屋ばかりです。
帰りのケーブルカーの終電を逃したら、どこかの宿屋に泊めてもらえば良いと思います。
こういう茅葺きの家屋だけでなく、その他すべての建物は、建設に必要な職人や、資材を運ぶのにかかるコストは平地の比ではありません。
これは平安時代から生えていると推定されている木です。
ここで千年の時に思いを馳せても良いですが、ここで立ち止まっているわけには行きません。
時が止まったかのようです。
御岳神社の社殿です。
特に信仰心はありません。拝むことはしません。むしろ神社運営者の通勤や、宮大工等維持管理にかかる膨大なコストに思いを馳せた次第です。

御岳平/Mitake-daira

御岳山駅にある展望台です。
リフトもあります。今日は動いていませんでしたが、わずか100円ですので、乗れるなら乗った方がいいと思います。
都会の喧騒を離れたここから街を見下ろすと、日々の悩みなんかはどうでも良いことのように思えることでしょう。
ちなみにそれはわたしが言った言葉ではありません。こういうところに来るとその言葉を想い出してしまうだけです。
ずっとボンヤリと見ていても良いのですが、ここまで来ましたから、ロックガーデンをぐるっと一周して非日常を楽しもうと思います。