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2017年1月3日火曜日

新花巻駅/Shin-Hanamaki Station

新花巻駅には、東北新幹線と釜石線の二面があります。
新幹線が停まる駅というだけでなく、宮沢賢治の世界の入り口という面があります。
花巻と釜石を結ぶ釜石線の間には遠野があります。遠野は「遠野物語」の遠野ですが、ここ花巻において遠野は、宮沢賢治が銀河鉄道の夜の着想を得たところとして意味があります。
今の時代に、一時間に一本程度の非電化単線というのはかなり不利ですが、賢治の時代においては想像力を働かせる魅力的なものだったのだろうと思います。
新幹線駅ですから、地元の産業を理解させる物品が展示されています。
わたしにはそれが、伝統と観光しか残っていないと白状しているように感じられました。
今の時代にこれで一体どうやって戦うというのでしょうか。

花巻市立博物館/Hanamaki City Museum

宮沢賢治巡りを終えた後は花巻市立博物館です。
非常に教育的な施設で、東北地方の始まりから現代までを学ぶことができます。
しばしば取り上げられる興味深い造形の土偶ですが、正しく「遮光器土偶」と紹介されていました。博物館で見たのはこれが始めてでしたが、想像以上に小さく驚きました。本の写真で見ると大きく感じられましたから。
発掘された道具です。縄文時代から既に精巧で驚かされます。しかしギリシャ世界ではとっくに哲学をやっていた時代なので、驚くほどではないかもしれません。
これは落とし穴を再現したものです。

これも再現したものです。
当時の生活ぶりは思った以上に良いもののように思えます。
今突然にこのような原始的な生活を強いられたとして、当時の彼らの生活水準にとどかないような気がしました。
様々な出土品から東北地方における縄文時代の人々の生活が思い描かれます。
展示は古代にとどまらず、近代まで行われており、非常に教育的でした。
上の刀剣は、律令国家と交流があった証です。
しかし考えると、東北の歴史は中央政権に対し厳しいものばかりでした。
律令国家時代においては坂上田村麻呂による蝦夷の征伐、鎌倉時代においては源頼朝による奥州藤原氏の征伐、戦国時代においては豊臣秀吉による奥州仕置き。
さんざんな歴史ですね。
東北にも象がいました。その証拠に足跡が残っているからです。
なお、この象はナウマンゾウではなく、アケボノゾウです。
高さは約1.6mから2.2mだったそうです。
この想像図は、今から約250年から100万年前のものです。

宮沢賢治童話村/Kenji's Stories Village

宮沢賢治の童話の世界を具現化してみたようなアトラクションではあります。
元々期待していませんでしたが、ある意味時間が止まった世界のようなものを感じました。
1980年代なら、こういうのも十分ありだったとは思いますが、今の時代にこういうのを見せられると薄ら寒いものがあります。
宮沢賢治は好きですが、今の若い人たちが自ら読むことはないでしょう。エンターテインメント性がありませんから。
ラノベがありますから。
ラノベなんかいくら読んでも人生の足しにも、学力の向上にも役に立ちませんが、宮沢賢治の作品を読んだら教養が身につくのかというと、それもまた難しいことです。
子供が宮沢賢治を読んでも得るものは少ないでしょう。
なので、花巻市がこういった雑な箱物を作って一体何の意味があるのだろうと思わずにはいられません。
こちらはわざわざ遠方から宮沢賢治に会いに来ているのですから。

宮沢賢治イーハトーブ館/Ihatov House

胡四王神社自体は、宮沢賢治の足跡を辿る上で必須とは言えないと思いますが、記念館から徒歩で5分ほどのところですし、なによりも見晴らしがよく、羅須地人協会や賢治にとってのイーハトーブを見渡すことができるので立ち寄ってみると良いでしょう。
神社から戻り、階段を降りると宮沢賢治イーハトーブ館です。
花が咲いている季節に来たなら見応えあったかも知れません。
イーハトーブ館です。
館内には、「石っ子賢さん」にちなんでか鉱石を数多く展示されていました。石好きな人にとっては興味深いところだろうと思います。

鉱石に興味のない人なら10分もかからないようなところです。賢治の有名な童話のアニメが上映されていますが、特に見なくても良いようなものでした。いつでも出られるので休憩がてらに見ても良いかも知れませんし、時間調整にもなります。なお、入館料はかかりません。

裏には牡丹が植樹されているので晩春に来るなら花も楽しめたかもしれません。
ここから数分歩けば、宮沢賢治童話村です。

宮沢賢治記念館/Miyazawa-Kenji Museum

ここ数年の間、遠野物語をたびたび読んできましたが、ついに自分の中でイメージが固まったことから、遠野を訪ねることにしました。
しかし遠野だけではもったいないので、花巻と盛岡にも立ち寄ることにしました。
まずは東北新幹線の新花巻駅についてですが、これが一体何のためにあるのかというと、それは宮沢賢治のためです。おそらくは。
花巻は宮沢賢治の故郷で、新花巻駅周辺には、宮沢賢治記念館、宮沢イーハトーブ館、宮沢賢治童話村等、宮沢賢治のことをよく知るための教育的な施設が集中しています/集中させています(?)。
花巻市博物館までは新花巻駅から徒歩で15分くらいです。
わたしは歩いて行くことにしました。
まずは宮沢賢治記念館からです。
胡四王山にある宮沢賢治記念館に通じる階段は非常に長いものですが、各段にはあの有名な詩が一文字ずつ貼り付けれていました。おそらくは何らかの工夫の一環なのだろうと思います。
まあでもはっきり言って特に嬉しいことはないんですけどね。
階段を登り詰めたところには、山猫軒というレストランと駐車場があります。その先に宮沢賢治記念館があります。
館内は撮影禁止なので、館内の展示物の写真はありません。
館内の展示は、宮沢賢治の生涯や世界観を知ることができるようなものです。鉱石に対する関心、農業振興活動と日蓮宗に対する信仰もれなくカバーされており、教科書的宮沢賢治像が描かれていました。
賢治は童話作家ですから当然原稿の写しも展示されているのですが、雨ニモマケズを書き記した手帳は、現物でもレプリカでもない、少し似たところのある別の手帳に詩を書き込んだものでした(当館が原本を所蔵していないため)。また、展示された各種鉱物もダイヤモンドやルビー、サファイアがレプリカで(当然と言えば当然ですが)、肝心なところに誤魔化しがあり残念でした。

閲覧に要する時間は1時間から2時間といったところです。普通に見て回っても1時間程度、解説をもらすことなく読んでも1時間半程度だと思います。売店には原稿のコピーが販売されています。
本館の次は、胡四王神社を見てから花壇を降り、宮沢賢治イーハトーブ館です。