2018年8月3日金曜日

槍平小屋から新穂高温泉/Yarihira Hut to Shinhodaka onsen

槍平小屋です。キャンプ泊は1泊1000円で、水は無料でした。なお、docomoは入りませんでした。
ここを5時頃に出ました。一般的な速度なら新穂高温泉駅まで3時間40分で着くことができます。
ルートはそれほどなだらかではありませんが、南岳新道と比べれば遥かにマシです。
というか、普通の山道でした。
槍平小屋から新穂高温泉駅までは右俣沢に沿って下っていくことになりますが、途中で因縁の南沢を横切ります。
18分ほどで南沢に着きました。
しかし、槍平小屋の方からは矢印が見えません。
ここでも、なぜかこの沢を降りてしまいました。この下山ルートが沢に沿ったものであることが頭に入っていたためです。
変だなと思いつつ、まあでも途中で合流するはずだからいいかと思いつつ、しかしやはり昨日の繰り返しだなと思い、元の道に引き返すことにしました。
このルートロストで、30分と体力を無駄にしました。
なるほど。確かに沢を横切る矢印はありましたが、登山者には見えるものの下山者には見えない位置に書かれていました。
これでは認知に狂いが生じてしまっても仕方ありません。
よく見ると下山道が見つかりました。
これも槍平小屋の方からは見えませんでした。
山道です。おおよそこのような具合でした。
登山道から見下ろした右俣沢です。
いくら沢沿いといっても、登山道に 復帰するには高低差が問題になります。沢を下るというのはあまり良い方法ではなさそうです。
沢とクロスするところはこのようですが、それほど問題ではありません。
南沢から40分。ここは滝谷出合です。
快晴続きなのに流れはそれなりに強く、雨の日に安全に渡るのは難しそうです。雪解け水は冷たいですからね。
安全に渡れるところを探しましたが、あまり良いところは見当たらなかったので、他の人が渡っていった後を辿りました。
靴の中を濡らしても良いというのなら雑に渡ることもできますが、なるべく靴の中は濡らすべきではありません。足の皮がふやけてしまうからです。
滝谷出合の避難小屋です。
滝谷出合からチビ谷まで35分。
ペースが落ちています。
黙々と下山しました。
ノロノロと下山しました。
大した道ではないのですが、昨日の南岳新道のダメージのため、半歩ずつ降りていきました。
滝谷出合から白出沢までの標準タイムは80分ですが、踏み出す時に体を支える方の足を少し曲げなけらばならないのが辛く、100分もかかってしまいました。
白出沢の砂防堰堤です。ここで30分の休憩を入れました。
反対方向から写した白出沢の砂防堰堤です。
ここも雨天時は厳しいでしょう。
白出沢以降は林道で、歩き易いなだらかな下り坂です。
下の写真は穂高平小屋です。白出沢から50分でした。標準タイム通りです。
穂高平小屋から新穂高温泉駅までの標準タイムは35分とのことですが、小屋の人が言うにはもっとかかるとのことでした。
実際45分かかりました。
引き続き林道です。
何台ものトラックが行き交っていました。
新穂高温泉駅付近の駐車場です。
ほぼゴールです。
クルマで来るのは理解できますが、クルマで帰るのは理解し難いです。わたしにはそんな体力残っていません。車中泊するというのなら分からないでもありませんけど。
槍平小屋から新穂高温泉駅まで3時間40分のところ、休憩を含めて6時間かけてしまいました。南岳新道を使わなければもっと早く降りられたはずです(断言)。
このロープウェイ駅のすぐ手前に、高山駅まで行く路線バスのバス停があります。
幸いなことにバスにはアウトレット(コンセント)が付いていました。
JR高山駅までは1時間半です。運賃は2160円です。
 市街までこのような風景が続きます。
これにて槍ヶ岳を中心とした登山は終了です。

2018年8月2日木曜日

南岳新道/New Mt. Minami Path

南岳小屋では、予定していた大キレットのルートを進むか検討しましたが、足を故障していたためエスケープすることに決めました。
大した故障ではないので行けなくはなさそうでしたが、万が一ということがあります。もし事故を起してしまえば自分だけでなく大勢の人に迷惑をかけることになります。一般的に難易度が高いと考えられている危険なところへは万全な態勢で臨むのが最低限の責任です。
大キレットやジャンダルムといった穂高の3000mの稜線を楽しみたかったのですが、それよりも損切りの方が重要です。
新穂高温泉駅まで3時間半でいける槍平小屋へは、南岳新道を使うと3時間で行けます。9時に南岳小屋を出れば、新穂高温泉駅には16時には着くことができ、計算上今日中に家に帰ることができます。もっとも、休憩を考慮に入れていませんが。
この南岳新道は人気がないのか人通りがほとんどなく、道も歩きにくく十分整備されているとは言えません。まあでもそれはそれで仕方ありません。と、この時は思っていました。
振り返って見た北穂高岳と北穂高小屋です。
実際のところ、北穂高岳に行った方がどれだけ楽だったか分かりません。
しかし、この時はまだ南岳新道のことを何も知らなかったのです。
まずは、道というか、斜面をジグザグに降りるだけです。
ところどころ浮き石があったりルートが分からなかったりしました。
どこを歩いても同じと言えば同じです。
同じような架け橋はあちこちに見られますが、ここのそれはなんとなく不安にさせられます。
遮るものはなく日当たりは申し分ないところなのに雪渓はまだ残っていました。ルート上にも残っています。
少し望遠で見てみましょう。
登山者が踏み固めた足跡が残っています。あれを踏んで行けば間違いないのでしょうか?
突然崩れたりはしないのでしょうか?ピッケルもアイゼンも用意してないんですが。
滑り落ちるリスクに怯えながら雪渓を無装備で歩きました。
 「鎖があった」と思ったら、抜けています。
この新道は終始ずっとこんな感じでした。まったく油断できません。登山者を罠にかけに来てる?
雪渓を抜けると足元がどうなっているのか不明な稜線を伝うことになります。
まあでもこれはこれで悪くありません。
見晴らしはなかなかのものですが、雨や風の中ここを通るのには勇気、ではなくて蛮勇がいります。
なんとか通れる難所が続きます。気を抜いたりうっかりしたりすると落ちます。
なぜこんなややこしいルートを開通させたのか疑問です。新道開発計画を中断する勇気は誰にもなかったのでしょうか。
沢の手前に槍平小屋が見えます。
2時間であそこまで行けるはずなのですが、そんな気はしません。
途中にこんなものが置かれていました。
これを必要とする事態では役に立たなさそうですけど。
短い稜線が終わりました。これ以降は、オーバーな書き方をすると垂直移動の連続です。
管理状態はかなり悪く、まるで管理していないかのようです。
ほとんど人が通らないので草は生え放題。
ルートに敷かれた岩は高さがマチマチで危険です。
草が生い茂ったルート。終始こんな具合です。
ところどころ見える槍平小屋。写っているのはその少し北のキャンプ場です。
早くあの沢手前にあるのキャンプ場へ行きたい一心で下山を続けました。
足は一部故障するとそれを庇う歩き方になってしまうため結局体全体が駄目になります。
もはや通行の邪魔にしかなっていない岩。頻繁に岩に上がったり降りたりしたので足はボロボロです。
目の前に見えている山が奥丸山とすると、現在の標高は2500mくらいでしょうか。
槍平小屋の標高は1990mです。
比喩的にも現実的にも道が腐っています。
ハシゴが折れていますが、そういうのに限って写真に撮っているわけではなく、ほぼすべてこんな状態でした。
管理は諦めて放棄していると言わざるを得ません。
管理されていないのに、この南岳新道は公式に槍ヶ岳・穂高のルートのひとつとされています。
こういうのを無責任というのでしょう。
徐々に小屋も大きく見えるようになりました。
あの沢の手前にあるあの小屋にたどり着けばわたしの勝ちです。
ボロボロの道。ボロボロなのは管理されていないせいですが、ほとんど管理らしい管理がされていないのは、この道の利用者が少ないからに他なりません。
もう少しまともなルートなら利用者もいて、放棄されることもなかったのでしょうが。
この道を作った人の仕事振りはきっとこんな具合なのでしょう。点数をつけるとしたら20点。
20%の出来で、仕事をしたと言ってはいけません。そんなのは仕事したうちに入りません。
むしろこんな不出来な仕事をするくらいなら、しない方がどれだけマシだったことか。
ないよりマシってこともあるかもしれませんが、この南岳新道について言えば、ない方がマシです。
南岳新道で最もまともなハシゴ。
徐々に視界が開けてきました。ゴールは目前です。
山でよく見かけるこのピンクのリボンは、林業関係者が付けている目印らしく、必ずしもルートを示しているわけではありませんが、多くの場合はルートと重なります。
ついに沢に出ました。
「この沢を下っていけば左岸に槍平小屋がある」とわたしが考えたとしても不思議ではありません。この記事をここまで読んできた人も同じように考えることでしょう。
写真に撮っていながら、この目印が目に入っていませんでした。
この目印は、「沢を横切れ」というサインです。
なのに、わたしは道なき沢を下り始めていました。
南岳新道は管理がされていないので、沢沿いの道もガレで埋まりそのままになっているのだと思い込んでしまっていたのです。これまで5時間も悪道を降りてきたのですから、そうメンタルセットされていても無理はありません。
実際のところ、上の両矢印のサインは見えていませんでした。自宅で写真を整理して初めて気づいたくらいです。
誰も登ってこない沢を黙々と降りました。ルートではないので誰ともすれ違いませんでしたが、南岳新道の利用者は元々少ないので、誰ともすれ違わないことを不思議に感じることはありませんでした。
何トンもありそうな岩塊がゴロゴロしています。何かの拍子で下敷きになったら人生諦めるしかありません。
この辺りでLTEが入りました。Google mapsで位置を確認したところ、ルートロストしていることが明らかになりました。
わたしが降りていたのは南沢だったのです。槍平小屋脇にある沢は右俣沢です。地図上この南沢をさらに下っても下山/登山ルートと合流できるはずなので完全に不正解とまでは言えませんが、今はっきりしているのはルートを間違えたという現実です。このような状況において採るべき最も賢明な選択肢は「元きた道を戻る」ことです。
ということで戻りました。これは南沢の反対側からの写真です。
小屋が見えてきました。
小屋までの道です。
この注意書きはまさにこの通りなのですが、実際に歩いて来た者にとってこの注意書きは責任逃れのためのものとしか読めません。南岳新道の関係者がすべきことは、このような看板を立てて責任回避を画策することではなく、普段からルートを安全に整備しておくことです。
南岳新道はとても道とは言えません。少なくとも北アルプスを楽しむための道ではないので、人命救助等余程のことがない限り使うべきではありません(断言)。

http://www.yarigatake.co.jp/minamidake/blog/2018/07/post-858.html