無休(8:00-17:00)、28シェケル
http://www.parks.org.il/sites/English/ParksAndReserves/zippori/Pages/default.aspx
「ガリラヤのモナ・リザ」と呼ばれる美しいモザイクのあるZippori国立公園の紹介の前に、“Zippori”をどう読むのか、「ツィポリ」または「ツィッポリ」なのか「ジッポリ」なのか確定しておきたいところです。元のヘブライ語を考えないのなら、英語表記が“Zippori”なので「ジッポリ」と読むのが普通だと思います。しかし「鳥」を意味する元のヘブライ語に近い“tzippori”なら「ツィッポリ」と読めるので、皆さんはご自身が読みたいように読めば良いと思います。また、モーセの妻のチッポラを考え合わせるなら、「チッポリ」もありうると思います。わたしは「ジッポリ」と読むことにします。
このジッポリ国立公園は、さきほどの舗装された道路をまっすぐ北に進み、突き当たったところを左に1kmほど進んだところにあります。もっとも、突き当りのすぐ左に、下の写真のような門があるので迷うようなことはないはずです。
Money Saving Tickets
イスラエルの国立公園に入場する前に、旅行者限定の割安入場券を買うと良いかもしれません。
3種類あり、いずれも有効期間は2週間です。
3か所使えるブルーカードは78シェケル、6か所使えるグリーンチケットは110シェケル、無制限のオレンジチケットが150シェケルです。入り口で提示すると、該当箇所に穴を空けてくれます。
さて、このジッポリですが、ヘロデ大王が亡くなった紀元前4年にユダヤ人が反乱を起こした際に焼け落ちてしまいましたが、その後ヘロデ・アンティパスが再建し、イエスの時代にはローマやギリシャ文化の影響を受けた栄えた街になっていたようです。大工イエスは(仕事に身が入っていたなら)ナザレよりもジッポリで仕事することが多かったのではないかと想像されます。
このように栄えた都市ジッポリは丘の上にあったため、どこから見ても目立った存在でした。「山の上の町が隠されることはない」というわけです。
さらに、ジッポリはイエスの母マリアが生まれたところだと信じられていました。遺跡の発掘調査により、それを記念した5世紀頃の教会が見つかっています。ヘロデ大王がジッポリを征服したのが紀元前37年ですから、時間的辻褄は一応あってはいます。しかし、聖書の中にはジッポリの地名は出てきませんから、ジッポリはマリアの出生地でないか、あるいは1世紀のクリスチャンにとってそれは重要ではなかったといえます。
また、イエス以後のことではありますが、2世紀には一時的にサンヘドリンが置かれたこともあります。
以上、聖書との関連を挙げてみましたが、ジッポリの魅力は各時代の多様な遺跡にあります。遺跡としては、12世紀に十字軍が建てた要塞、ローマの円形演技場、4世紀頃のローマの邸宅とそのモザイクがあります。
最も有名な、ガリラヤのモナ・リザのモザイクの全景です。
これらは他のモザイクです。当時のローマ風の生活が忍ばれます。
要塞屋上からの眺めです。
このように見渡せますので、要塞の役目は果たしていたように思えます。
十字軍の要塞の屋上から撮影した円形劇場です。
円形劇場の袖から写した円形劇場です、奥に見える建物は要塞です。
座席はこのような具合ですが、手前の座席は修復されています。
元の座席は風化しています。