ナザレで最も訪れたかったのは、諸教会ではなく、このプレシピス山でした。
プレシピス山(意味は「絶壁山」、「断崖山」)は、ナザレの旧市街から南に3km程度のところにあり、イエスがナザレの会堂で教えた時に怒った群衆がイエスを崖から突き落として殺そうとしたところと言われています。
しかし、それはかなり無理があります。そもそもその出来事が起きた場所はまったく同定されていません。正確な場所も手がかりも聖書の中には記されていないのですから分かるわけがありません。
また、実際に行ってみれば分かることですが、会堂から2、3kmも離れたこの山に連れて行ったとしても、そうしているうちに群衆の興奮は覚めていたことでしょう。
ナザレは坂が非常に多い街です。突き落とすのに手頃な崖はあちこちにあったはずで、この標高395mのプレシピス山だったと考える方こそ不自然です。上のエピソードとこの山が無理やりこじつけられたのは明白です。
それでも、わたしがこのプレシピス山に関心があったのは、その印象深いエピソードではなくむしろ、聖書には記されていない幼少年期のイエスが、あるいは青年期のイエスが、この手近で手頃な山にしばしば遊びに行っただろうと考えるからです。
プレシピス山は手頃な山で、南にはナインの街が、東南東にはタボル山が見えますし、北を向けばエズレルの谷/Jezreel Valley(谷ですが平野です)を見渡すこともできます。考え事をするために登ったこともあるのではないかと想像します。そのような山ですから、上の福音書のエピソードとは別に行ってみるのは良いことだと思います。
行き方は簡単で、ナザレの旧市街地から南に2km、小山を目指して進むだけです。
舗装された道路が通っているので道に迷うことはありません。しかし、多少距離があるので、歩いていく人はほとんどいません。というかわたししかいませんでした。
普通はツアーバスか、タクシーで行くようです。
南側の展望台からです。中央の山の手前にある集落がナイン/Neinです。
イエスが変貌したとされるタボル山/Mt. Taborも見えます。
イエスが変貌したかどうかはさておき、その「高い山」とはヘルモン山ではなくタボル山だとわたしは考えています。端的にヘルモン山は遠いですし標高も2814mもあるからです。タボル山は575mですが、この辺りにおいては十分に「高い山」だからです。
南西にはアフラ/Afulaの町も見えます。
乾燥に強そうな非常に刺々しい植物が生えていました。
この青い茨のような植物は日本では見たことがありません。非常に堅いトゲをもっていました。
この山は乗馬禁止のようですが、実際は落とし物があったりします。
酪農が営まれているようで、道中臭いのきついところもありました。
普通はツアーバスか、タクシーで行くようです。
南側の展望台からです。中央の山の手前にある集落がナイン/Neinです。
イエスが変貌したとされるタボル山/Mt. Taborも見えます。
イエスが変貌したかどうかはさておき、その「高い山」とはヘルモン山ではなくタボル山だとわたしは考えています。端的にヘルモン山は遠いですし標高も2814mもあるからです。タボル山は575mですが、この辺りにおいては十分に「高い山」だからです。
南西にはアフラ/Afulaの町も見えます。
乾燥に強そうな非常に刺々しい植物が生えていました。
この青い茨のような植物は日本では見たことがありません。非常に堅いトゲをもっていました。
この山は乗馬禁止のようですが、実際は落とし物があったりします。