2017年5月28日日曜日

メギド/Megiddo

今日も鳥のさえずりで目覚めました。日本とは違うイスラエルを感じました。が、日本でも山間部なら同じでしょうし、イスラエルでもナザレ以外ではニワトリに起こされることはありませんでした。

今日は午前中にメギド国立公園へ行く予定です。ハルマゲドン/アルマゲドンと呼ばれるところに行ってみたかったのです。

メギドへは、ナザレから南のアフラ/Afulaまで行き、そこから西のメギドに行くのが普通で、一旦アフラで乗り換えるケースが多いですが、ナザレからメギドまでバス一本で行くこともできます。
バス乗り場は、ナザレ・セントラル・バス・ステーションではなく、そのひとつ北にあるバス停です。
向かいの左のビルにマイクロソフトの看板が立っており、また正面にはマクドナルドがあるバス停Paulus Hashishi/6177です。
行き方は比較的やさしく、8時発または10時発(日によって異なるかも知れません)の750番Kuba Al-Da'ari A行きのバスに乗り、13番目の停留所のMegido Junctionまで直通です。50分ほどで着きます。
750と書いてあるのがわかります。
ここで待っていれば、750番のバスが来るということです。
バスの天井です。STOPと書かれた黄色いボタンを押すと次のバス停で止まってくれます。日本と同じシステムです。もっとも車内アナウンスはヘブライ語のため、わたしはGoogle mapsで現在位置を把握しながら、降車を知らせていました。

ちなみに、乗車時はバスが来たら手を振って乗車の意思を伝えます。バス停で立っているだけではバスは行ってしまいます。
写真についてですが、USBのプラグが見えます。充電に自由に使うことができます。すべてのバスに付いているわけではありませんが、多くの場合は付いています。
バスの中から撮影した他の自動車です。イスラエルは先進国のひとつだと思うのですが、このような年季の入ったコンテナをしばしば見かけました。
日本ではすっかり見かけなくなったフォルクスワーゲンの旧型ビートルです。
こちらのパトカーです。

アフラを抜け西に進み、メギドが近づいてきました。
ヒマワリ畑です。
メギドジャンクションの手前です。畑の左にある灰色の箱はおそらく養蜂箱です(奥に見えるシュロの生えた丘が「テル・メギド国立公園/Tel Megiddo National Park」ですが、この時はまだ気がついていませんでした。養蜂箱に目を奪われていました)。
メギド・ジャンクション/Megido Junctionのバス停に着きました。
メギド・ジャンクションには、同じ名前のバス停が4つあります。これは、東のアフラから来てさらに西に抜けていくバスのためのバス停です。
メギド・ジャンクションから北に抜けるルート66です。ここから道路に沿って、北にバスで1駅、2kmの距離を歩けばテル・メギド国立公園です。

それなのに、ここでGoogle mapsのルート検索をしてしまい、重大なミスを犯してしまいました。

上のリンクをクリックしてGoogle mapsが示したルートを見ると、バスで4駅目のMidrakh Oz Intersectionで降りてMidrakh Ozを通ってテル・メギド国立公園に行くように思えます。しかし、それは大ハズレで、正解は、ルート66を北に進むバスに乗って次の駅で降りることです。実際はバスは時間どおりに来ませんから、2km歩いて行くのが大正解です。

Google mapsで正しく「テル・メギド国立公園」を検索したいなら、「Tel Megiddo National Park」で検索するのではなく、ヘブライ語で「מוזיאון תל מגידו」と検索するべきです。念のために衛星写真で確認しておくべきでした。
https://goo.gl/maps/DLXyud6uSfD2

この小さな、しかし手痛いミスのためにわたしは、9時前にメギド・ジャンクションまで来ていながら、5時間も灼熱の太陽の下を彷徨い歩くことになりました。

以下、メギド国立公園に行き着くまでの放浪の記録です(40年の放浪には及びませんが)。
Midrakh Ozです。
期待で胸が高鳴ります。
Midrakh Ozは農村です。
時折り農業用車が通り過ぎていきます。
Midrakh Ozの猫です。
Midrakh Ozのミツバチです。
水を吸いに来ています。
Midrakh Ozの牛です。
Google mapsが示したルートまで来ました。
しかし、門が閉じられていて先へ進めません。地元の農家の方が使う道をGoogleは示してしまったようです。
そこから見えるメギドの丘ですが、国立公園のような雰囲気はありません。
あの山を超えれば目当ての施設はあるのでしょうか?
間違いには気が付きましたから、これからはリカバリーです。
さて、どうやってここからメギド国立公園へ行けばいいのでしょうか。ここではないとしてもこの近くであるのは間違いないはずです。

http://www.parks.org.il/sites/English/parksandreserves/TelMegiddo/Pages/default.aspx
How to get here: On Road 66 between Megiddo junction and Yokne'am junction, some 2 km north-west of Megiddo junction. 
http://www.parks.org.il/ParksAndReserves/megiddo/Documents/brochureEn.pdf

行き方の説明では、ルート66沿いにあり、メギド・ジャンクションから北西に2kmばかりとありますし、地図を見てもやはりメギド・ジャンクションからルート66を北に行けば良いことが読み取れます。

進むのではなく(これ以上進めませんが)、戻るのが正解のようです。
Midrakh Ozを出てルート66に沿って南に戻ることにしました。
ルート66沿いの牛です。
放牧されています。
ルート66沿いの花(おそらくは萼)です。
名前は分かりません。
こんなにカラカラに乾燥していながら咲くことに感動を覚えます。
ルート66に沿って南下していると、フェンスの切れ目が見つかりました。
どうやらここから入っても良いようです。
これはつまり、ウシは出入りさせないが、ヒトは出入りしても良い設備のようです。
入って少し先に立て看板がありました。訪問者を前提とした注意書きですから、農業関係者以外の侵入を想定しているようです。

これでやっとメギド国立公園へ行けます(と思ってしまったのがさらなる間違いでした)。わたし以外、人の気配はありません。
看板も国立公園のシンボルイラストはありませんでしたし、シンボルカラーの深緑でなかったことにも引っかかりましたが、異国の山をトレッキングできるので良しとしました。
どうも自分が思っていたハルマゲドンと違います。
メギドは要塞でしたから、遺跡とかがあるはずなのですが、あるのは、木々と露出した岩ばかりです。
あの山を越えれば、何か分かるかも知れません。
メギドの花です。
こんなに乾燥していながらピンクの小さな花を咲かせています。

ひとつの山/丘を越えて麓の道まで降りてきました。
プレシピス山/Mount Precipiceでも見た青い茨です。
2つ目の山を登り始めています。
この時点で、ルート66から西の方角へ進んでいます。
メギドにいるのは間違いないのですが、色々間違っていることには気がついています。しかし、この時点では確実な間違いまでは分かっていません。
登りながら、先程通ってきた山を振り返っています。
さらに登りました。
2つ目の山の頂上付近です。
良い見晴らしです。エズレルの谷(平野)です。

Google mapsで確認する限り、自分がTel Megiddo National Parkにいるのは間違いありません。しかしどう考えてもここが目的のTel Megiddo National Parkであるはずがありません。

少なくともここからさらに西に進んでも状況が改善しないことは明らかでしたし、2リットルの水も残り少なくなっていました。どうにかしないといけませんが、よいアイデアがありません。一般論として最も確実性が高い方法は、今来たルートを戻って振り出しに戻ることです。
しばらく考えて周囲をよく見ていると、何やら楽しげな施設が!

わたしのハンディカムは光学30倍のズームが可能なのです。持ってきていて良かった。
デジタルズームと合わせるなら55倍まで可能です。
皆さん楽しそうにされています。あそこがメギド国立公園に違いありません。
たとえ間違っているとしても、あそこに行くのが正解のはずです。
この時点で既に13時前。山から離脱/エスケープすることに決定しました。




GPSを頼りにメギド・ジャンクション西のパーキング・エリアにたどり着くことができました。
時は既に14時です。

日本では決して行くことのないマクドナルドも、このような時に見ると励まされるものです。
https://goo.gl/maps/VWko9N77Txo
もちろん、マクドナルドには入りませんでしたけどね。