伝承園自体は遠野物語の舞台というわけではありません。
しかし、遠野のことを知ろうと思えば、また遠野物語を知ろうと思えば、伝承園は欠かせません。
建物は、地元では非常に多い「菊池さん」の古いお家ですが、茅葺きの曲り家がどのようなものなのかを見ることができます。
曲り家は、馬と密着した生活の象徴であり、また現実でもあります。
下は、反対側の写真です。
馬と密着した生活を送っていたので、オシラサマ信仰の話も生まれたわけです。
で、そのオシラサマ信仰が具体的にどのような形で行われているのかも、迫力のお堂で実感することができます。
なお、念の為ですが、オシラサマ信仰は、馬のための信仰ではなく養蚕のための信仰です。
と、同時に、群馬だけでなく東北のここにおいても養蚕が行われていたことを理解することができます。
他には、遠野物語の元ネタを収集した佐々木喜善の記念館もありますし、地域におけるかつての農業のあり方等知ることができ、非常に教育的です。
と言いますか、遠野を濃縮したのが伝承園ですので、駅から出ているバスに乗って来られると良いかと思います。
柳田國男が宿泊した宿にも同じようなものがありましたが、神棚の下に「神」を描いた「紙」を貼る風習があるようです。