2016年7月2日土曜日

屏風ヶ浦/Byobugaura

銚子最大の見所は、地下3000mの地層が見られる屏風ヶ浦だと思うのですが、ほとんど人がいません。
幸い遊歩道は整備されています。
他ではなかなか見られない風景で興味深いですが、それでも毎日見ていては飽きると思います。
ですので、時々見に来るのが丁度良いと思います。
風力発電も銚子ならではで、他の地方ではなかな見られないものですが、見たくなったら見にくれば良いと思います。
一般的に風力発電は、最も電力需要のある夏の無風時には発電せず、電力に余裕のあるときには無駄に発電し、ベース電力としてはまったく役に立っていませんが、一定方向の風が吹き続けるここの風力発電には意味があるように思います。
衰退が続き回復する見込みの薄い銚子は、今後は風力発電のメッカとして脱原発のモデル地域を目指していけば良いのではないかと思った銚子訪問でした。

地球の丸く見える丘展望館/Panoramic Observatory

愛宕山(標高73.6m)の頂上にある「地球の丸く見える丘展望館」に来ましたが、いまいちでした。
霞んでよく見えないから面白みが感じられないというのもありますが、よく見えていたとしても特段感じ入ることはなかっただろうと思います。
眺望を楽しみたいのなら、東京スカイツリーに行けばいいだけですからね。
もちろん、東京スカイツリーから銚子界隈を見渡すことはできませんが。
「地球の丸く見える」というキャッチフレーズに惑わされて水平線ばかり見てしまい、その手前にあるものを見落としてしまいそうです。
目の前に並ぶ田園と集落は、日本のどこにでもある風景です。
しかしここが他と異なるのは、ここから東に都市がないところです。
ここは物理的に東京圏の東端なのです。
東京寄りであるなら東京を往復する人が通るたびにカネを落としてくれますが、端ではそれを期待することはできません。そうした見えない景色をこの展望台で見通せられれば十分ではないかと思います。
展望台から見える風景よりも、愛宕山層群の岩石の展示の方が有益です。
琥珀の塊です。酉明浦で採れたものです。
展望台の風景よりも、愛宕山層群の岩石や化石の方が興味深いです。
しかし、こういったものは人を集めるには力不足です。実際のところ、展望台に人はいましたが、岩石の展示には誰もいませんでした。

犬吠埼/Cape Inubou

銚子ポートタワーから犬吠埼灯台までは4、5kmほどあります。主に海岸線を走っていれば灯台に行き着きます。灯台自体見つけやすいものですから、行き着かないといったことはないでしょう。
県道254号線です。よくある日本の地方の風景です。
この道を南に進みます。
このコンビニエンス・ストアは、その道中で見かけたものですが、 入り口が二重扉になっているのが特徴です。
この地域で風力発電が行われていることからも分かるとおり、強い一定方向の風が入り込みやすいため、風防のためにこのような特殊な作りになっています。
「海鹿島海水浴場」です。
しかしどうも海水浴場とは思えない荒れっぷりです。
それにひきかえ、犬吠埼灯台周辺は「君ヶ浜しおさい公園」として整備されています。
犬吠埼灯台にやってきました。
犬吠埼灯台は非常に教育的な施設で、見どころも多く、十分楽しむことができます。
しばしば「なぜポストは赤いのか?」との問いが発せられることがありますが、例外的に赤くないポストです。
白く塗られているのは、おそらくは犬吠埼灯台を模したためでしょう(誰かに確認したわけではありません。わたしがそう考えただけです)。
灯台ですからとりあえず登ってみました。
展望北側から見た君ヶ浜しおさい公園です。
南側です。
コンビニのところでも書きましたが、風が非常に強いです。スマホさえ飛ばされそうでした。
東側といいますか、灯台の足元です。
西側です。意外と多くの観光客が訪れていることがわかります。
高いところはそれだけで観光地になるので、人を集めるには好都合です。
資料展示館は非常に教育的です。
これは、かつてこの灯台で使われていたレンズです。一等レンズと呼ばれるもので直径3.03m,重さ2.65tと非常に大きなものです。これが80年にわたり、銚子沖の船舶の航行を支えてきたことを思うと時代を感じずにはいられません。
資料展示館は、灯台一般や、特殊犬吠埼灯台について学ぶことができます。
霧笛舎です。
かつて灯台の光が届かないときに鳴らしていたそうです。
今は、GPS等電波をつかった通信が発達していますから、これらは運用されていません。
現場は実務的ですから、昔のやり方に固執してはやっていけません。

銚子ポートタワー/The Tower of Choshi Port

このガラス張りの未来感ある塔は、銚子ポートタワーです。
銚子を知るには、銚子ポートタワーが最適です。単に銚子全体を見渡すことができるだけでなく、教育的な施設でもあります。
銚子にあるものと言えば、屏風ヶ浦、犬吠埼灯台、風力発電設備、地球の丸く見える丘展望館、醤油工場、イオンモール、ぬれせんべいを販売してる鉄道くらいだと思うのですが、そういったものの位置関係がおおよそ分かります。








展望は上のとおりですが、銚子ポートタワーで注目したいのは以下の古めかしい遊技設備です。
写真は一例で、他にもいくつかこの手のオールドテクノロジーで駆動する機器が設置されていました。
日本が栄華を極めた時代の遺物が今も現役で活躍していることに驚きを禁じえません。
おそらくはこの銚子ポートタワーが建った頃からあると思われます。
メンテナンスする業者/できる技術者は残っているのでしょうか?
銚子ポートタワーからは1980年代の香りがしてきますが、竣工は1991年でした。
銚子のシンボル的施設に、このような「古代」の遊技設備が設置されたままになっていることこそ、今の銚子を表しているように思えてなりません。

銚子/Choshi

一度も行ったことがないとしても、銚子を知らない日本在住者はほとんどいないでしょう。天気予報で毎日聞きますし、義務教育においても、千葉県東端の銚子市は日本の代表的な漁港として学んでいるはずです。実際のところ銚子市は千葉県においては千葉市に次ぐ人口を誇った頃もあり、繁栄していました。しかし、今は衰退の一途を辿っています。
近年の全国的な傾向として、東京ないし大都市への集中化と地方都市の衰退が起こっています。地方は、人口や産業を留めることができず、流出・減少に歯止めがかからず、ジリ貧です。そのような象徴として銚子に興味がありました。これから住むべきところはどのようなところなのか、地方なのか東京圏なのか、考えることができると思い訪れることにしました。
銚子へ行くのは簡単なのですが、時間がかかります。総務本線を利用することになりますが、東京から特急の「しおさい」に乗っても普通/各停より30分ほど早く着く程度です。どちらも本数は少なく、待ち時間を合わすと、東京からでも2、3時間程度かかります。往復だけで数時間使うことになるので、簡単に行けそうで実は相当遠いところです。
駅には観光案内所があり、どのような観光がしたいのかを伝えると、的確でナイスなアドバイスを受けることができます。電動アシスト付き自転車を有料でレンタルすることもできます。しかしわたしは、電動アシストは電池切れが怖いので、輪行してきた自転車で銚子を巡ることにしました。
駅の北側です。本来なら賑わっているべき商店街のはずが、人の気配がありません。タイルで舗装されているのに残念です。土曜日の昼過ぎにもかかわらずこの有様です。6万人の市民はどこへ行ったのでしょうか。おそらくはイオンモールでしょう。
駅から北に進んだことろにある、利根川沿いの河岸公園からです。北西に見えているのは銚子大橋です。橋を渡った先は茨城県神栖市です。
北東に目をやると、銚子名物の風力発電が見えます。
風力発電設備は、時代に応じて進歩し続けている象徴かのように見えます。
来た道を振り返って写しました。
クルマの流れも、渋滞しない程度にあります。
ご覧のとおり、漁猟船と波止場です。
これまでのところは、人影がまばらなところは除き、漁港町という感じがします。
ところどころ、時代を感じさせる建物が見られます。
1970年代から時が止まっているかのようです。
鉄筋コンクリートは、堅牢であるため更新されにくいのは確かですが、それ以前に商売を継続させるだけの客が足りません。

これも鉄筋コンクリート造の建造物ですが、漁協関連の施設で、特に古いものの例というわけではありません。
場所は前後しますが、銚子漁協が運営している「万祝(まいわい)」という食事処です。
ここで鉄火丼定食をいただきましたが、特に安いとか格別美味ということはありませんでした。全国展開している丼ものチェーン店がいかに低価格化と品質維持を努力して追究しているのかが分かるというものです。